「小さな頃からヒーローになりたかった」という水石亜飛夢。これまで数々のキャリアを積みながらも、毎年スーパー戦隊と仮面ライダーのオーディションは受け続けていたという彼が、ついに手にした『魔進戦隊キラメイジャー』でのキラメイブルー/押切時雨という役。1年間を通じて演じたこの役について、そして2月20日(土)に公開される『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』について語ってもらった。
■1年間を通して“ヒーロー”を演じてみていかがでしたか?
「ヒーローになるのは昔からの夢だったので、それが実現できて、この1年間演じ切れたのは本当にありがたい経験でした。実は、これまで何度もスーパー戦隊と仮面ライダーのオーディションを受けてきたんですよ。僕はデビューが17歳だったんですが、18歳19歳~とずっと受けさせていただいて、今の年齢、24歳になって、やっと叶ったんです。諦めないで良かったなと思いました」
■それだけ、絶対に演じたかったんですね。
「はい。スーパー戦隊は、役者の登竜門的な要素もありますが、僕は小さな頃から“ヒーロー”に憧れていましたし、この世界に入ったなら、絶対に経験したいと思っていたんです。ただ、実際にこの役を掴んだ瞬間に、今の状況下になってしまい、生身のヒーローとして子供達の前に立つ機会がほぼなくなってしまって。でも最近になって、Gロッソでのヒーローショーが始まり、子供達の純粋なまなざしを見ることができて、すごく嬉しかったですね。本当に幸せな瞬間でした」
■ちなみに、ブルー役というのは、ご自身の性格にフィットしていそうですよね。
「僕もそう思います(笑)。小さな頃は、レッドよりも追加戦士や、ちょっとクールなブルーが好きだったんです。オーディションの時も、最初からブルーを求められて、“そうだろうな”と思いながら受けていました(笑)」
■結果的に、“キラメイブルー”はクールというよりも愛されキャラになっていましたよね。
「そうですね。僕がくだけたお芝居をしていくうちに、脚本家さんがそこに寄せてくださったんです。ただクールに、というよりはちゃんと喜怒哀楽を出すお芝居がしたかったこともあって、序盤から“ブルー=クール”という概念を崩しにいきました(笑)。みなさんの中で、ブルーのイメージが少しでも変えられていたら嬉しいです」
■2月20日に公開される『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』でも、変顔などを披露されているようですね。
「そうなんです。僕が演じた“押切時雨”は、かなり変顔をしているんですよ。かき氷機を頭の上で回されたり、イジられる場面も多いので、そこも楽しんでもらえると思います」
■今作では、ヒーローの中では最年長になるんですよね。
「はい。最初は気を張っていたんですが、みんなを知れば知るほどにマジメな子達ばかりだったので、特に僕が引っ張るということもせず、自然とすごく仲良く演じることが出来ました。のびのびとお芝居ができた1年間だったと思います」
■そして、劇場版では“夢”がテーマでしたが、夢はよく見られるタイプですか?
「それが、全然見ないんですよ。父親は、夢の続きを見ようと思って見られるタイプらしくて、すごくうらやましいんです。僕は、観るとしたら悪夢で、“崖から落ちる”とかが多いんです。一度夢占いをしたら、メンタルと身体の状態がちぐはぐと書いてあってビックリしました(笑)」
■そうなんですね(笑)。さて、水石さんは“ヒーロー”という夢を叶えましたが、次の夢はありますか?
「この1年、“キラキラ”をテーマに6人でずっと撮影をしてきて思ったのは、“エンターテイメントは人の心を救える”ということ。だからこそ、これからもエンターテイメントに力を入れていきたいですね。僕、この作品に出演する前から“キラキラ”という言葉をよく使っていたんですよ」
■プライベートで、ですか?
「はい。生きるうえで“キラキラしている”ってすごく大事なことだと思うんです。なので、これからも、自分の出ている作品や芝居を通じて、その“キラキラ”を届けていきたいと思っています。ちなみに、映像の作品って、制作から届けるまでどうしても時間がかかってしまうんですよね。でも、この『キラメイジャー』では、投げたボールがすぐに戻ってくるように反応があったので、そこもすごく楽しかったんです。これからも、『キラメイジャー』で感じた気持ちは忘れずにいたいですね」
■水石さんは、これまでジャンルレスに、様々な作品に出演されていますよね。
「そうですね。自分のプロフィールを見ていると、本当にいろんな作品に携わらせてもらっているなと驚きます(笑)。今回の『キラメイジャー』で演じた役は、役者の役だったので、どの作品も今の役に役だっているんです。(劇中で)時雨が役を演じることもあって、それはすごくややこしかったんですけど、自分の中の引き出しから出せたのは、これまでご縁があったたくさんの作品のおかげだと思うんです。なので、これからも、映像を基盤に、いろんな役を演じていきたいと思っています」
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“好きなことって楽しいだけじゃない”と言うことを歌っていて、ハッとしたんです。歌詞に“自分は自分でしかないし、自分でぶつかるしかない、あとはもう楽しむだけ”というようなフレーズがあるんですが、そこがすごくいいなと思っていて。人間って、比べる生き物だから、僕も“あの人はいい芝居をするな”“あの人は売れているな”って思うこともあるんです。でもこの曲を聴くと“自分らしくいればいいんだ”って思えるんですよね。ぜひ、多くの人に聴いてもらいたいと思います。
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【プロフィール】
■水石亜飛夢(みずいしあとむ)
’96年1月1日生まれ。神奈川県出身。最近の出演作は、映画『根矢涼香、映画監督になる。』『東京バタフライ』など。現在、映画『哀愁しんでれら』が公開中。今後は、映画『国民の選択』(3月5日公開)、映画『黄龍の村』(’21年公開)などが控えている。
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Photo ⇒ 大川晋児
Text ⇒ 吉田可奈
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【MOVIE Information】
『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』
2月20日(土)全国公開
監督:山口恭平
原作:八手三郎
脚本:荒川稔久
キャスト:
小宮璃央 木原瑠生 新條由芽 水石亜飛夢 工藤美桜 庄司浩平/古坂大魔王 壇蜜 ほか
配給:東映
スーパーヒーロープロジェクト ©テレビ朝日・東映AG・東映